実験/量産用 プラズマ・真空装置メーカーのアリオス株式会社 「真空プラズマ用語集 た行」

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超高真空

JIS (Z 8126) では、10-5 Pa以下の真空を超高真空 と定義しています。 さらに、10-9 Pa以下の真空を極高真空 と呼ぶことがあると付記されています。→真空
英語表記では、超高真空は ultra high vaccum 、極高真空は extreme high vaccum です。

この真空度をどう書けば実感して頂けるか悩みます。一気圧が約 10万 Paですから、10-5 Paは一気圧の 1/1010、100億分の 1です。 国際宇宙ステーションは高度約 400 kmを周回していますが、この付近の圧力がちょうど 10-5 Paぐらいです。 また、気象衛星ひまわりがある静止軌道は高度約 35,000km となり、圧力は約 10-15 Paであり、この圧力では 1 cm3に約 30個のガス分子が存在しているだけになります。 →地球と宇宙の間
10-5 Paの圧力で分子を飛ばした時、飛行距離 1kmぐらいは他の分子にぶつかりません。この「他の粒子にぶつからない距離」を 平均自由行程 と表現します。 平均自由行程は、飛行する粒子や他の粒子の大きさによって変わります。

超高真空を作るには、まずこの圧力で充分な排気速度のある真空ポンプが必要になります。 油回転ポンプでは、10-1 Pa台までしか減圧することができません。 これ以下の圧力を得るためには、ターボ分子ポンプなどを併用します。他に吸着など現象を使う溜め込み型のサブリメーションポンプ、クライオポンプ、イオンポンプなどが併用されます。→真空ポンプの種類
チャンバーの内壁も超高真空を得るために重要な要素の一つです。減圧していくと、内壁に吸着したガス分子などが容器内に放出されて、ポンプの負担になります。 吸着ガスの量は内壁の表面状態と関係しますが、同じ材質であった場合 表面積に比例します。そこで表面積を減らし、ガスが吸着しにくくするような表面処理が行われます。その一つが電解研磨です。
また、ゴム製の Oリングなどはガスの透過とともに実効的な表面積が大きいので、超高真空では使用が避けられる部品の一つです。
容器の中に入れるものの表面状態にも注意が必要です。 低真空では中に入れるものを素手でさわってもあまり支障はありませんが、超高真空では素手で触ると、手に付いている油脂や汗が付着し、これらの物質からの蒸発が原因で到達時間が大幅に伸びたり、超高真空に到達しなかったりすることがあります。→所定の真空度まで到達しない理由
チャンバーを構成する材料の加工方法も問題になることがあります。 材料の圧延方向を考慮しないと、微少な巣が問題になることがあります。 たとえば、棒材は圧延方向すなわち長手方向に長い巣が走っている可能性があり、これを輪切りにしてフランジを作るようなことはしません。 フランジは板材から切り出して作ります。→真空の常識と非常識
超高真空を実現するのは、私たちにとっては日常茶飯事ですが、分野外の方がそういった装置を作り上げようとするとこうした細かい一つ一つのノウハウや技術の積み重ねになりますので、ちょっと大変だろうと思います。
超高真空装置は、ぜひ弊社のような専業メーカーへご用命下さい。→超高真空チャンバー超高真空排気装置 UHVPS