表1:可視近傍の水素発光のスペクトル
Hα、Hβ は、水素原子のバルマー系列と呼ばれる励起状態 n=2 へのエネルギー準位の遷移で放出された光です。
(太陽のHα像を撮影したものを 自然のプラズマ に掲載しています。)
励起状態から基底像対への遷移はライマン系列と呼ばれますが、この遷移はエネルギーが大きいために、波長が 120nm以下の紫外線となり、大気で減衰するため真空紫外線分光器などの大がかりな設備が必要です。
図1:水素原子のエネルギー準位
水素の輝線スペクトルのうち、可視近傍で実験的に確認されているものには、表1のようなものがあります。この表の波長は大気圧での波長です。光強度は相対的な強度です。
Hα と推定されるスペクトルが2本あります。これは、電子が軌道運動することにより生じる磁界によってスペクトルが分離する内部ゼーマン効果により、Hα線が分離したためです。
赤外線のスペクトルは n=3 への遷移と計算結果が一致します。この計算は波長により波数νを算出し、その差をとり再び波長に変換することにより求めることができます。
プラスマ発光分光については プラズマQ&A プラスマ発光分光 をご参照下さい。