SRIM/TRIM
-はじめに-
SRIM は固体に対するイオンの飛程をシュミレーションするソフトウェアで、
イオン注入 では世界標準ともいえるようなソフトウェアです。
基板に跳ね返されるイオンや基板原子の叩きだしなどもシュミレーションできますので、スパッタリング の効果なども予想することが可能です。
このように非常に便利なソフトウェアですが、残念ながら日本語環境では使用できません。日本語版 Windows で使うためには、英語モードに変換する必要があります。この変更方法と簡単な使い方を解説しておきます。
なおこの解説は、下記環境で実際に動作させた結果に基づいて書いています。
様々な状況での動作を検証していません。環境あるいは既にインストールされているソフトウェアなどによっては、不具合を起こす可能性もあるでしょう。弊社は動作に伴う結果について、一切の責任を負いませんので、自己責任において実行して下さい。
また、感想・アドバイス・ご要望、あるいは不具合の報告などがあれば、本ページの内容を加筆修正する際に参考にさせていただきます。
動作確認環境
使用 OS:WindowsXP Professional SP2 Version 2002
SRIM バージョン:SRIM2006 SRIM/TRIM ホームページ
フリーソフトウェアです。
起動方法
環境設定
- SRIM をダウンロードし、日本語環境でインストールします。
(日本語 WindowsXP Proの英語環境でインストールすると、途中でエラーが出ます)
- 下記の手順で操作し、Windows英語モードに変更して再起動します。
- スタート⇒コントロールパネル⇒地域と言語のオプションをダブルクリック
- 標準と形式の言語欄を"英語(米国)"に変更
- テキストサービスと入力言語の詳細をクリック
既定の言語をメモして記録しておき、"英語(米国)-US"に変更し、"OK"を押す。
(既定の言語を記録するのは、日本語環境でもいくつか種類があるので、元に戻す場合のためです)
- 詳細設定のタブをクリックし、"Unicode 対応でないプログラムの言語"を"英語(米国)"に変更
- 英語環境のファイルについて、ハードディスクに記録されているファイルを使うか、あるいは CD-ROM のものを使うか聞いてくるので、ハードディスクのファイルが使えればその方が簡単なので"はい"を押す
インストールの仕方によっては、異なるウインドウになる可能性があると思われます。
- 再起動する
日本語に戻す場合は、上記と同じ順序の操作で日本語を選択していきます。
はい⇔OK などいくつかの用語の違いが出ますが、およそ推定できるはずです。
操作方法
上記の手順で英語環境にした後に操作します。
- スタート⇒SRIM2006
最初に注意事項のような画面が出ますが、これを閉じると SRIM起動画面が現れます。
Stopping/Range Tables は平均飛程と分散を簡便に計算し、表を作成できます。TRIMはシュミレーションを行うモードです。TRIMをクリックして起動します。
- 初期状態では、水素イオンH+を 10kVで加速する設定になっています。とりあえず動かすので、このままにします。ターゲットは設定されていません。
"TARGET DATA"の"PT"という黄色いボタンをくりして、適当な固体原子(例えばTi)を選びます。項目に適当な値が代入されるはずですが、必要であれば追加変更します。
- シュミレーションの開始は"Save input & Run TRIM"という緑色のボタンをクリックします。
ファイルを"Save"する場所を聞いてきた時は、適当に設定します。
- "Plots"の"Ion Distribution"をクリックすると、イオンの深さ分布が表示されます。
Help でアドバイスが表示されますので、参考にされて下さい。
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